もうすぐ平成27年度の年末調整の時期がやってきます。
今回はマイナンバーが導入されることで手続きに戸惑っている方も多いのではないでしょうか。
ここではそんな方々の不安を解消するためにもマイナンバーが平成27年の年末調整に与える影響とその変更点をまとめていきたいと思います。
まず、確認したいのが毎年10月末から11月にかけて国税庁から送られてくる「年末調整のしたか」という冊子です。
こちらは国税庁のホームページからも確認できますが、どの会社もこの冊子に沿って年末調整をおこなっていると思います。
変更点がある場合はこの冊子にその旨が記載されていますので、とても重要な冊子です。
今年の冊子を確認すると平成27年の年末調整には変更点がないことがわかりました。
よって、昨年と同じように処理をおこなって問題ありません。
今年の年末調整まではマイナンバーによる影響はないようです。
しかし、年末調整と同時に処理がおこなわれる源泉徴収についてはマイナンバー導入によって多くの変更点が生じています。
ではどのように変更になったのか変更点について説明していきます。
マイナンバー導入による源泉徴収の変更点
マイナンバーの導入にともない平成28年の源泉徴収に変更点が生じます。
変更点は2点です。
ひとつが扶養控除申告書の書式変更、もうひとつが海外住居の扶養家族に関する証明書類の添付義務です。
多くの方が扶養控除申告書を記入すると思いますので、ここは是非覚えておきたいところです。
また、子どもがいる方はお子さんが海外留学などしている場合、扶養していればそれを証明する書類を必ず添付しなければいけなくなります。
それではこの2点の変更点についてもっと詳しく説明していきたいと思います。
扶養控除申告書の書式変更
多くの方に関係してくるのがこの扶養控除申告書の書式変更だと思います。
今までは名前を書いて印鑑を押すだけで完了でしたが、28年度からはマイナンバーの記入が必要になってきます。
こちらは平成28年の新書式になりますが、氏名の下にそれぞれマイナンバー(個人番号)を記入する欄が設けられていることが確認できると思います。
本人だけでなく、扶養対象配偶者や扶養親族のマイナンバーが必要なことも確認できます。
また会社側は本人のマイナンバーに間違いがないかマイナンバー通知書と身分証で最終確認をおこなう必要があります。
また、法人のマイナンバーを記入する欄もありますので、大所帯の会社などはかなり確認作業を含め、かなり手間が増えることになります。
海外住居の扶養家族に関する証明書類の添付義務
これまでは海外に住む扶養家族が控除を受ける場合、それを証明する書類の添付義務はありませんでした。
しかし平成28年からはそれが義務化されるようになります。
お子さんが海外留学などをしている場合は必要になってきますので注意が必要です。
証明書類に関して国税庁は以下のように指定しています。
①戸籍の附票の写しその他の国又は地方公共団体が発行した書類及び国外住居親族の旅券(パスポート)の写し
②外国政府又は外国の地方公共団体が発行した書類(国外住居親族の氏名、生年月日及び住所又は住居の記載があるものに限ります。)出典:国税庁
証明書類は①のほうが簡単に取得できるのでオススメです。
戸籍の附票の写しは役所で簡単に取り寄せることができます。
旅券の写しはコピーでかまいませんので、扶養親族が海外にいる場合はパソコンなどでデータを送ってもらうとよいでしょう。
証明書類②は国外の政府に書類を発行してもらわないといけないため、かなり手間と時間がかかります。
翻訳なども必要になってきますので、かなり面倒だと思います。
特に理由がない場合は①で済ませてしまいましょう。
スムーズに年末調整をおこなうために
以上がマイナンバー導入による年末調整に関する変更点です。
マイナンバー導入による扶養控除申告書は提出側も会社側も今まで以上に手間がかかりそうです。
双方が変更点を正しく理解することが年末調整をスムーズに進めるための鍵でしょう。
しかし、そうはいってもアルバイトやパートの方などは意外と把握していないことがほとんどです。
そのため会社側は事前に変更点を張り出すなどして周知することが必要ではないかと思います。
年末の忙しい時期は誰もが忙しくなる時期です。
早めは早めの準備や対策が必要になってくるでしょう。
また、海外に扶養家族がいる方は証明書類の添付が必要になりますので、こちらも早めに準備に取り掛かったほうがよいと思います。
控除を受けるために添付忘れなどがないか最終確認が必要です。
このように、少し手間がかかってしまうかもしれませんが年末調整は払った税金を少しでも取り戻すための大切な手続きです。
事前に変更点を把握してスムーズに年末調整を終えるようにしましょう。