
2015年にテニス王者になったジョコビッチ選手が、グルテンを食事から抜いたことで信じられないほど自身のパフォーマンスがアップしたと発表したことで、一気に有名になったグルテン過敏症という病気の存在。
グルテン過敏症の症状は一つ一つが軽いものが多い為、病に侵されていても意識できていないケースが多いようです。
それにより、知らぬ間に少しずつ症状が悪化し、気づいた頃には結構重い自覚症状に苦しんでいる人も多いとか。
しかし、グルテン過敏症を調べるこれといった検査方法も無いようで、日頃の症状で判断するしかないようです。
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— HOT SHOT-テニスの動画ニュース- (@hotshot_jp) 2015, 9月 6
そもそもグルテン過敏症とは?
グルテン過敏症という名前をまだ聞いたことがない人も多いと思うので、まず最初に解説したいと思います。
グルテンとはタンパク質の一種で様々な食品に含まれている栄養素。
このグルテンを摂取することにより、人によっては様々なアレルギーを引き起こすと言われています。
アレルギーの自覚症状は人によってバラバラですが、重度な苦しみになるケースは少なく、多くの人が少し体調が悪いと感じる程度だと言います。
また、仮に病院に行ったとしても、グルテン過敏症を検査する一般的な方法はない為、医者の問診で「しばらく様子をみましょう」となるのがほとんどです。
※実施しているところは少なく費用も高額ですが「IgG抗体検査」というもので検査しようと思えばできます。
しかし、大抵の人がまさかグルテンが原因で最近の体調が悪いとは思わないので、そのまま体調不良にずっと悩まされることが多いようです。
グルテン過敏症は悪化するとセリアック病という難病を引き起こすことも分かっており、本来であればいち早い対応が必要な症状です。
グルテン過敏症の症状とは?
グルテン過敏症の症状は大きく分けて、精神的な症状と肉体的な症状の二種類に分けられます。
集中力がなくなる
グルテンの成分の中にはグオテルモルフィンという成分があり、その性質がモルヒネとそっくりなことから、グルテンを摂取するとモルヒネと動作用をする危険性があると専門家は説明しています。
もちろん、モルヒネに比べるとその威力は弱いので通常の人であれば何の変化も感じませんが、グルテン過敏症の人であると顕著に体調に現れるようです。
頭がずっとぼーとしたり、違うことばかり考えてしまったり、集中力がなくなってしまったり、頭がすっきりしない その様な症状に苦しんでいる人はグルテン過敏症の可能性があります。
頭痛や片頭痛、めまいが起きる
グルテン過敏症に限らずですが、食物によるアレルギーの代表的な症状が、頭痛・片頭痛・めまいです。
特に、片頭痛に長年悩ませられているけど原因が分かっていない人は多く存在し、実はグルテン過敏症だったというケースも非常に多いようです。
また一部の人には非定型顔面痛や非定型歯痛などにもグルテンが作用している場合があるようで、原因不明の痛みに苦しんでいる人はグルテン過敏症を疑ってみるのもアリです。
気分に波があったり、やる気がなくなる
うつ病にも近いこの症状ですが、グルテン摂取による栄養素の吸収率低下から起こる可能性がある症状です。
具体的に吸収率が低下する栄養素は、ビタミンB,D、亜鉛、鉄分などで、これらが脳を良い状態に保つことに必要な栄養素であることから、グルテンによる妨げで精神的ムラにつながる危険性があるとされています。
この症状も一般的な人に出るわけではなく、グルテン過敏症の人に限って顕著に表れるようです。
病院で、やる気がない・気分に波がある などを相談すると真っ先に鬱を疑われる可能性が高い為、グルテン過敏症への対応があまり出来ずにいる人が多いのが現状です。
下痢や便秘などの消化器トラブルがある
グルテン過敏症の人で最も多い体のトラブルが消化器系です。
食後の膨満感や下痢、便秘など人によって症状は違うものの、消化器の不良が長い間続いている人は要注意です。
消化器系のトラブルの場合、漢方など自然由来の薬も多い為、それらを一定期間試してみても症状が改善しない場合、直接的な原因としてグルテン過敏症を疑うのがよいでしょう。
腕や背中にぶつぶつがでる
毛孔性角化症(もうこうせいたいせん)や毛孔角化症(もうこうかくかしょう)とも呼ばれる症状ですが、二の腕や背中にブツブツができる場合があります。
自覚症状などはほとんどないブツブツですが、見た目が悪いのと時として軽度な痒みを発症します。
膝や腰などの関節の痛みがある
グルテン過敏症の人がグルテンを摂取すると、体がグルテンに対する抗体を作りそれが原因で膝や腰などの関節が痛くなるケースがあります。
関節痛を引き起こす病気は多種多様にあるので、グルテン過敏症が原因とは考えもしないのがほとんどですが、一つの原因の可能性を覚えておくとよいです。
グルテン過敏症の改善方法は?
グルテン過敏症を改善する唯一の方法は、グルテンを含む食品を摂取しないことです。
グルテンを含まない食事を、グルテンフリーなどと呼ばれます。
グルテンは小麦や大麦、ライ麦、オート麦などの麦類に含まれているタンパク質の一種ですので、グルテンフリー食品とはそれらを使わない食品のことをいいます。
具体的な食べ物名で言うと、ラーメン・パスタ・うどんなどの麺類、パン・ピザなどのパン類、クラッカー・シリアルなどの菓子類にグルテンは多く含まれます。
また、ビールなど麦芽飲料にもグルテンは当然含まれている為、恐らく何も意識していなければ私たちが摂取している毎日の食事に何かしらグルテンが入っていると考えられます。
そのグルテンを摂取しない様にしなければならない為、グルテン過敏症を改善するのは大変ですが、実際に症状に悩まされている人からするとその症状自体の方が断然辛いので、グルテンフリーへのチャレンジはあまり苦にならないのではないでしょうか。
意外と難しいグルテンフリーの食事
グルテン過敏症を改善するのにグルテンフリーが大事なのは理解したけど、小麦が使われていない食事を探すのは結構難しいと思いがちです。
しかし、よく探してみると意外と身近なお店にグルテンフリーメニューがあったりしますのでチェックしてみてください。
第4回あまいけいきとお茶会@原宿リトルバード 雑誌に載ったパスタ登場!カルボナーラと野菜乗っけどちらもパスタは米粉のグルテンフリー!お腹いっぱいだけど次はデザートだ!
#あまいけいきとお茶会 #リトルバード pic.twitter.com/BkYv1WNpZY
— スイーツ男子あまいけいき (@amaikeikiss) 2015, 9月 20
パスタはダメだと先ほど書きましたが、あくまで麺に小麦を使っている通常のパスタがダメなのであって、麺に米粉を使用しているパスタであれば問題ありません。
他にも、野菜やフルーツ、肉、魚などにはグルテンは含まれませんので、パンやピザ、麺類などに気をつければ比較的にグルテンフリーを達成できます。
お酒はビールは基本ダメですが、麦芽を使用していないお酒であれば問題ありません。
グルテンフリーはダイエットにも効果的
グルテンにはグリアジンという成分が含まれており、最近の研究ではこのグリアジンが人間の食欲を増大させてしまうことが分かってきてます。
食べても食べてもまだ食べたくなる。そんな経験は誰にでもありますが、これがグルテンによる可能性があるということです。
よって、グルテンフリーにすることにより、このグリアジン自体の摂取も抑えることができ、食欲が必要以上に高まることなくダイエット効果が期待できると専門家は話します。
アルコールにも食欲増大効果があるので、ビールとともにグルテンを大量にとっている人がどんどん太っていくのは宿命だったようですね。
なお、ダイエットという観点から見ると、グルテンフリーだけではなく、糖質フリーも重要な要素として認識しておくべきでしょう。
糖質を抜く=必然的にグルテンを抜くことに繋がるので、いわゆる糖質を意識していれば、グルテン過敏症からも肥満からも抜け出せると言えるかも知れません。