
人生の中で「好きな人がいる」ってとても素敵なことだと思います。
そしてほとんどの方は幼い頃は自分や両親や兄弟姉妹といった「家族中心」という状態からスタートします。
それが成長するに従って取り巻く社会が広がり、その過程の中で自分とも家族とも違う人、いわゆる「他人」に出会い、意識し、好きになる。
一瞬で好きになることもあれば、時間をかけて好きになることもあると思いますが、どちらにしても、人を好きになる時の瞬間って、やっぱり「特別」ですよね。
そしてその相手は「異性」であることが一般的とされています。
そう、今の社会では、「女性は男性を好きになる」「男性は女性を好きになる」のが普通だと考えられていますが、「男性を好きになることもあれば、女性を好きになることもある」といった人、いわゆる「バイセクシャル」の方が今、増えているそうなんです。
少し驚かれた方もいらっしゃるかもしれませんが、実際日本や世界で行われた調査結果で発表されていることでもあります。
ただし欧米のように公に語られることがまだ少ない日本での性的指向。
そこにはどんな背景があるのでしょうか?
いつもと違う世界を少し覗いてみましょう。
バイセクシャルの割合は実は女性に多い!女性らしい原因とは
バイセクシャルのことをお話しする前に「性的志向」について少しお話したいと思います。
通常異性を好きになるのが一般的とされている為、そうでない性を持つ方は「セクシュアル・マイノリティ(性的少数派)」と呼ばれています。
レズビアン(L)、ゲイ(G)、バイセクシャル(B)、トランスジェンダー(T)のそれぞれの頭文字を取って、「LGBT」と言われています。
- レズビアンの方は「女性同性愛者」
- ゲイの方は「男性同性愛者」
- そして今回のバイセクシャルの方は「両性愛者」
- トランスジェンダーの方は「肉体的には男性なのに心は女性、肉体は女性なのに心は男性」
とされていますが、実際にはもっと多くの性的指向が存在するようです。
今回のバイセクシャルの方は「両性愛者」なので、男女両方に恋愛対象が向く方です。
そしてその割合は「女性の方が男性よりも3倍多い」とアメリカで行われた研究結果でも言われているんです。
3倍とは驚きですね。
その背景には男性に比べ女性の方が「恋愛関係や性欲に対して、考え方や気持ちが変化しやすいこと」と「相手の性別よりも相手の性格を尊重する」といったことが理由として挙げられているんだとか。
なるほど、バイセクシャルの増加にはそういった女性特有の資質が影響していたのですね。
セクシャルマイノリティの方の悩みとは?
電通ダイバーシティラボが行った「LGBT調査2015」では、日本国内でのバイセクシャルを含むLGBTの割合は7.6%と報告されています。
2012年の同報告では5.2%ですから、やはり増加傾向にありますね。
この傾向だと10%、1割に達する時代もそう遠くない気がします。
1割、10人に1人だともはやマイノリティ(少数派)と呼ぶことに違和感さえ感じるようになるかもしれませんね。
とは言え、まだ少数派の性的指向。
性的指向って特に公にする必要もありませんし、どんな指向を持っていたとしても根本的には個人の自由だと思うのですが、それは単体、個人で生きている場合であって、社会と繋がりをもっている私たちはどうしても相手、他人のことが気になります。
そしてそれが好きな人、もっと言えば結婚する相手ならなおさらだと思います。
- マイノリティであるという劣等感
- 法律や常識、倫理、宗教といった社会的制限
- 普段(性的指向)をオープンに話す機会がないという環境
こういった背景から自分の気持ちや性的指向を否定したり、社会との繋がりをわざと希薄にしたりする人も多いと言います。
「人を好きになる」こと自体、とても素晴らしく貴重な経験ではありますが、それがゆえにとてもパーソナル、個人的なことでもあります。
自分の枠に閉じこもって、少し窮屈や思いや生活をされている方が多いとしたら、限られた時間を生きている私たちの人生、やはりもったない気がします。
バイセクシャルの方にとっては、男性もそして女性も愛せるという女性の柔軟な資質から生まれた「才能の一種」かもしれないのですから。
バイセクシャルだけではありませんが、自分の性的志向に疑問を抱き、悩まれている方がいらっしゃるなら、まずはそんな自分を受け入れることが最初のそして大きな一歩になります。
それも女性特有の女性性の一つでもある「受容性」ですね。
結婚相手、パートナーとなるとどうなるの? 今後の展開は?
まだ認知度が低いセクシャルマイノリティではありますが、海外ではセレブを中心に自分の性的志向を公表されている方もいらっしゃいます。
アンジェリーナ・ジョリーがブラッド・ピットと結婚する前に日系のアメリカ女優と交際していたのは有名ですね。
ジョニーディップと結婚したアンバー・ハードも実はバイセクシャルなんだとか。
何だか凄い方ばかりで驚いてしまいますね。
そんな世界的な影響もあるのでしょうか、日本でも少しずつではありますが、理解が広まりつつあります。
2015年11月から東京都渋谷区と世田谷区で施行された「同性パートナーシップ条例」もその一つ。
結婚となると相手の性的志向は気になりますし、自分がバイセクシャルの場合、相手にそれを打ち明けるべきかどうか悩まれる方も多いと思いますが、それはある意味「誰もが通る道」。
そういった方の歩んできた道が結果として、このような条例施行に繋がったわけですから、社会もその時代に合わせて変化していると言えます。
自分の性を大切にすることは、自分の根本的なことを自分が認め、受け入れていることの表現だと思います。
他の誰でもない、あなたがあなたを愛することがそういった今の壁を取り払ってくれるかもしれませんね。